第1回将棋電王戦、コンピュータソフトが元名人に勝利=米長会長及ばず

プロ棋士とコンピュータソフトが対戦する第1回「将棋電王戦」が1月14日、東京・千駄ヶ谷の将棋会館で行われた。

将棋ソフト「ボンクラーズ」と対戦したのは、泥沼流で知られる米長邦雄永世棋聖。米長氏は名人位を49歳11ヶ月で獲得して最年長記録を更新したことで知られる。すでに2003年、現役を引退しており、現在は日本将棋連盟の会長職を務める。68歳。

一方のボンクラーズは第21回世界コンピュータ将棋選手権で優勝した将棋プログラム。富士通研究所に勤める伊藤英紀氏が開発した。

1秒間に最大1,800万手を読むというボンクラーズは、ユーザ名「bonkras」として将棋倶楽部24(東京道場)で過去最高レーティングを更新するなど、すでに早指し戦では“プロ超え”を達成。米長氏も昨年末に行われたbonkrasとの早指し前哨戦で敗北を喫していた。

米長永世棋聖は序盤から玉を右に囲い、入玉も視野に押さえ込みを図る作戦で、中盤まではやや優勢に立った。しかし、ボンクラーズの巧妙な差し回しと正確な対応で徐々に差が縮まり、最後は一気に攻め切られた。ボンクラーズの「しっかり固めて、序盤の差を最小限に抑え、中盤以降人間の小さなミスにつけ込み一気に勝ち切る」という“勝ちパターン”にはまったといえる。

チェスではすでにコンピュータが人間超えを果たしていたが、より複雑な将棋でもついにコンピュータプログラムが人間を超える時代を迎えた。

なお、第2回電王戦が2013年に開催されることがすでに決定しており、第22回世界コンピュータ将棋選手権の成績優秀プログラムを相手に、現役プロ棋士の船江恒平四段が対する。
今回の米長会長の敗北は残念だったが、次回は人間の大局観と底力に期待したい。

【Updated】
対局後に開かれた記者会見で米長邦雄氏は、来年の第2回電王戦を1局だけでなく5局制にするという新たな計画を明らかにした。

来年の電王戦は5人のプロ棋士と5つのコンピュータソフトによる対戦が一斉に行われる予定となり、5人のうちのひとりは船江恒平四段でほかの4名は未定である。また、コンピュータソフトは第22回世界コンピュータ将棋選手権の結果をみて、最強の5つのソフトを日本将棋連盟が選ぶとした。

ほかにも、今回配信を行ったニコニコ動画の親会社であるドワンゴが来年以降のスポンサーになる構想や、米長氏自身の再登場の可能性にも触れられた。

米長氏は「(先手番の)ボンクラーズが7六歩と指した場合、6二玉が最善手である」ことを強調して、「途中までは完璧だった」と悔しさを隠さなかった。

[Reported by Tsugawa.Tv]

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