プロセッサの移行はすぐに行われるのではなく、NVIDIA製Project DenverのようなGPU統合型64-bit対応プロセッサコアが市場投入される“2013年半ば頃”だと予想されいる。
まずはノートブック(MacBookファミリー)が対象となり、その後、デスクトップカテゴリ(iMacやMac mini、Mac Pro)に組み込まれる可能性もあるという。
消費電力が低いARMチップはバッテリ寿命が長いのが特徴で、AppleのiPhoneやiPadなどにも搭載されている。また。iOS以外でもほとんどのAndroid搭載スマートフォンやタブレット型端末に採用され、さらに、Microsoftは来年早々にも公開予定である次期Windows 8で、ARMチップのサポートを決定している。そのほか、サーバやスパコンなどへの組み込みと実用化も用意されている。
一方のIntelは、22nmのプロセッサ「Ivy Bridge」で3Dトランジスタ「Tri-Gate」を採用して、2011年内にも量産体制に入ることを明らかにしたばかりだ。
MacのハイエンドクラスをARMのパワーでカバーするには非力だろうし、Intelにとって今回のニュースは寝耳に水だったに違いない。逆に、Intelからすれば、高性能かつ低消費電力のIvy Bridgeを、ARM対抗としてスマートフォンやタブレットカテゴリに導入したい思惑があっただろう。
さて、実際にARMへのスイッチは行われるのだろうか?Appleはわずか5年前までは、IntelチップではなくPowerPCをMacに搭載してきた。
さらに、チップメーカーP.A. Semiの買収や、グラフィックチップ設計のエキスパートを引き抜くなど、独自設計の半導体開発へのこだわりは強い。
ARMベースにすることで、ノートブックを含むモバイルカテゴリは充実するかもしれない。しかしながら、デスクトップのハイエンドマシンはIntel製に頼らざるをえないだろう。ARMが今後3年程度の期間に、Intelの高性能CPU開発に追いつけるとは思えないからだ。
ラップトップとデスクトップとで、プロセッサが異なる状況は考えづらく、やはり、この情報はちょっと話が大きくなり過ぎのように思われる。
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