HPはHynixと共同開発しているメモリスタ(Memristor)を2013年内に商用化する計画を明らかにした。
HP Labsのシニア研究員であるStan Williams氏は、International Electronics Forum 2011において、2013年の夏にはメモリスタをフラッシュメモリの代替として商品化を実現し、その後SSD市場にも参入すると述べた。
メモリスタは、抵抗器、コンデンサ、インダクタに次ぐ第4の回路素子で、1971年にカリフォルニア大学バークレイ校のLeon Chua教授が理論上の回路として論文で発表していた技術だ。HPは2008年に二酸化チタンの薄膜を用いたメモリスタを開発して注目されていた。
HPとHynixは昨年から、電源を切っても記憶した情報を失わない不揮発性メモリ技術「ReRAM」として、メモリスタを共同で研究・開発を進めてきた。
メモリスタは、消費電力が少なくSSDよりもパフォーマンスで上回り、コスト軽減も期待される。また、論理回路の製造も可能であり、1チップでプロセッサとメモリを実装可能だ。
Williams氏は不揮発性の半導体メモリとして、NAND型フラッシュメモリの代替品開発は問題はなく、また、DRAMについても1ビットあたりのエネルギー変換で2桁以上の改良が可能であると述べ、2014〜15年にはSRAMの代替品として商品化をする計画だとしている。
HPのスポークスマンはメモリスタの商品化の時期は約束はできないものの、開発は順調に進んでおり2013年内に商品化をするのが目標であることを認めた。
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