昨年、MacコンピュータのプロセッサがARMベースに移行するのではないかという噂が駆け巡ったことがあったが、Appleのティム・クックCEOは、シティ証券のアナリストであるリチャード・ガードナー氏との会合のなかで、(ARMベースの)iPadのパフォーマンスや販売台数に評価を示しており、MacBook AirをはじめとするMacのプロセッサにARMチップを採用する戦略はとらないだろうと述べたという。 また、Appleの売上で重要なキーとなりつつある中国戦略について、ガードナー氏は次期「iPhone 5」がLTEに加えて中国移動(チャイナ・モバイル)の独自規格TD-SCDMAをサポートすると予想しており、2012年内には世界最大の携帯キャリアからiPhoneが発売される可能性があるとしている。また、AppleはiPhoneの販売網拡張のため、中国国内の直営店(Apple Store)展開を積極的に推進するとみられている。 Apple TVについてはコンテンツ拡充を図るものの、プロバイダーやケーブルテレビネットワークなどとの独占放映権などを取得する計画はないという。ほかにも、クックCEOはユーザ数が8,500万人を超えた「iCloud」の重要性を強調した。
Amazon.comのタブレット端末「Kindle Fire」の予約は非常に好調であり、当初の想定より数百万台も増産して準備しているとされるなか、Appleのティム・クックCEOは、約10日後に発売が迫ったiPadキラー本命と目される競合端末の市場投入を歓迎していると発言した。 バークレイズ・キャピタルのアナリストであるベン・レイツェス氏は、Appleのティム・クックCEOとピーター・オッペンハイマーCFOと面談して、Amazonの199ドルタブレット投入がAppleに与える影響について話し合った際、タブレット端末市場が分断化されることはAppleにとって好都合だと分析していることが分かったという。Apple首脳はAndroidプラットフォームの分断化が進めば進むほど良いとみており、結局のことろ、より多くのユーザやデベロッパが「iPad」を選択すると自信をみせている。 「Kindle Fire」はAndroidベースでありながら、Amazonの製品やサービスに非常に最適化されており、Amazon Appstoreで配信されるアプリも独自のプラットフォーム向けとなっている。 レイツェス氏によれば、クパティーノベースの世界最大のIT企業は「iPad」の価格を引き下げる可能性があるという。ただし、品質や顧客体験に対して妥協することはなく、低価格競争に対抗する意図もないとみている。
The Wall Street JournalはAppleのティム・クックCEOと故スティーブ・ジョブズ氏との違いについて、クック氏が8月にCEOに就任して以降、同氏は社内コミュニケーション構造を改革して、より効率的かつ活発に議論できる環境を確立しようとしていると報じた。クック氏は従業員あてのメールを頻繁に送信しており、メールの中で従業員をチームと呼んでいるという。 また、ジョブズ氏との相違点について、従業員が寄付をする際に支援する慈善制度の立ち上げや、株主に対しよりオープンに接するようになった点にも触れられている。記事によると、クック氏は利益の使い道として、配当金の支払いや自社株買いも検討しているとされる。 ほかにも、エディ・キュー氏をクラウドサービスの上級副社長に推薦したこと、教育部門の構造改革としてセールスとマーケティング部門に分割再編したことなどがあげられている。
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