米Adobe Systemsは11月9日(現地時間)、モバイル端末向け「Flash Player」の開発を終了する方針を明らかにした。同社は今後、HTML5の採用を推進していく姿勢を示したが、モバイル版に加えてテレビ向けなどの家電製品向けバージョンの開発も中止するようである。
Adobeによれば、近日中にGoogleのAndroidおよびRIMのBlackBerry PlayBook向けにリリースする「Flash Player 11.1」がモバイル版の最終バージョンとなり、その後はバグ修正やセキュリティアップデートのみを提供する方針だという。ただし、Flashアプリケーションの実行環境「Adobe AIR」やデスクトップ版の「Flash Player」は引き続き提供される。Flash開発者は今後、モバイルやテレビなど向けにはネイティブアプリを通じてコンテンツを提供することになる。
モバイル端末版「Flash Player」をめぐっては、AppleがiOS端末でサポートしないことで激しく対立していたが、Adobeは今後、Google、Apple、Microsoft、RIMなどと製品開発で協力していくとしている。
Appleにとっては間違いなく追い風となりそうな発表だが、iOS端末との差別化としてFlash対応を謳っていたRIMは、PlayBookでHTML5に加えて今後もFlashをサポートする方針を示しており、Flashの独自開発版を継続して提供する意向を明らかにしている。