今年10月に発売されるのは、マイナーアップデートに甘んじた「iPhone 4S」ではなく、オールニューデザインの「iPhone 5」になる可能性もあったようだ。故スティーブ・ジョブズ氏の最終判断で数カ月前に断念したと噂されている。
Business Insiderのある情報筋によると、「iPhone 5」の試作機は、ディスプレイは従来の3.5インチより広い4インチを搭載して、背面はMacコンピュータやiPadでお馴染みの素材であるアルミニウムが使用され、スリムに再設計されたケースデザインだったという(この情報は1箇所からの未確認情報である)。
また、「iPhone 5」のホームボタンは現在の物理ボタンではなくタッチセンサー式を採用。メインカメラは10MPにまで向上して、デバイス本体にはリキッドメタルと呼ばれる耐久性の高い新素材が採用される可能性があった。
ホームボタンをめぐっては、筆者自身も過去に3度故障に見舞われるなど、急に反応しなくなる不具合が多数寄せられている(保証期限内であれば無償交換の対象となる。また、保証切れなどでそのまま使用し続けるのであれば、iOS 5限定ではあるがアクセシビリティ機能よりホームボタンを画面上にバーチャル表示させることができる)。なお、タッチセンサーボタンはすでにいくつかのメーカーで採用されている。
すでに4インチを超えるディスプレイが標準化されつつあるなかで、スクリーンの大型化(解像度の向上も含む)とプロセッサの高速化、内蔵カメラの強化、バッテリ駆動や本体メモリの増強、デザリングや第4世代移動通信システムLTEを含むインターネット接続、HDMIアウトプットなど家電マルチメディアとの連携、モバイル決済システムなどが期待される。
しかし、「iPhone 5」のプロトタイプではバッテリ消費が早いという致命的な問題もあった。また、Apple社員の噂として、S.ジョブズ氏が広いスクリーンの採用にゴーサインを出さなかったとされている。iPadとの共存・差別化が困難になり、iOS端末全体の収益構造に問題が生じることも懸念されたようである。