<Review>「世界を変えた男 スティーブ・ジョブズ」

NHKでオンエアされた「世界を変えた男 スティーブ・ジョブズ」のレビュー。

若かりし頃のジョブズ氏の鋭い目付きは、ここ数年の温和な印象とはかなり異なって見えた。番組内において、事実と明らかに異なる点は無かったが、「Think different.」キャンペーンで紹介されたTV CM「Here’s to the Crazy Ones」は、あたかもジョブズ氏が考え出したかのような演出だったがこれは誤りだ。普通に広告代理店が制作したものである。

番組内で使用された楽曲は、Steppenwolfの“Born to Be Wild”、John Lennonの“Power to the People”、Bob Dylanの“Don’t Think Twice, It’s All Right”および“Like A Rolling Stone”。特に、“Like A Rolling Stone”はオープニングとエンディングに2度流れた。

印象的だったのはウォルター・アイザックソン氏の「スティーブはモノ作りと創造性を結びつけた」、スティーブ・ウォズニアック氏の「彼にとって最も重要なのは人間」というフレーズだ。

また、ジョブズ氏は25年以上も前、当時CEOだったジョン・スカリー氏に対し、「iPhone」のようなデバイスのスケッチを見せて、「こういうのを作りたい」と語っていたというシーンは印象的だった。スケッチには「MacPhone」と書かれていた。

スティーブ・ジョブズ氏は今年10月、56歳という若さで亡くなった。しかし、コンピュータ(Mac、グラフィックス、フォント、インターネット)、音楽(iPod、iTunes)、映画(ピクサー、iTunes、Apple TV)、電話機(iPhone)、携帯型多機能端末(iPad)など、我々の生活に豊かさをもたらす多くの分野で「革新」を成し遂げた。そして、ガレージで2人だけでスタートしたAppleを時価総額で世界一の企業に育て上げた。「Amazing」だ。

まだ夢半ばであったかもしれない。しかし、Apple復帰後の彼の15年間は伝説になった。

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