急成長する世界タブレット型端末市場でAndroid勢がシェア拡大をみせるなか、昨年11月に発売されたAmazon.comの「Kindle Fire」がその存在感を増している。
7インチタブレット「Kindle Fire」は199ドルという低価格が最大の特徴で製造原価よりも安い価格で販売されているが、電子書籍やアプリなどコンテンツ販売による利益回収がビジネスモデルであり、調査会社によると1台売れるごとに100ドル以上の利益が生じるとも指摘されている。
市場調査会社Strategy Analyticsによる2011年第4四半期のタブレット市場調査によると、Androidのシェアは39%にまで拡大しており、Apple「iPad」のシェアを10%以上侵食する結果となった。もっとも、「iPad」の出荷台数は四半期ベースで過去最高を記録しており、市場全体の底上げが確認できたともいえよう。
さらに、市場調査会社Flurryによると、「Kindle Fire」のアプリ利用率が先行していたサムスンの「Galaxy Tab」を猛追しており、最新データではトップに躍進していたことが分かった。
今年1月の「Kindle Fire」のアプリ使用状況は35.7%である一方で、「Galaxy Tab」は35.6%であり、わずか0.1ポイント差ではあるがAmazonが“サムスン超え”を果たしたことになる。
また、 Androidタブレット端末全体のアプリ利用率も昨年11月比で3倍以上に増大しており、「Kindle Fire」は有料アプリのダウンロード率で「Galaxy Tab」の2.5倍超というデータも示されている。AmazonのApp Storeは収益に確実に結びついており、主力である電子書籍以外のデジタルコンテンツ販売でもアドバンテージを築きつつあるようだ。