第5世代Gobiプラットフォームは、1つのチップに世界のほぼすべての主要モバイル標準サポートを組み込んでおり、FDDおよびTDDのLTE方式をサポートするとともに、3G(HSPA+およびEV-DO)との下位互換性も備える。また、GPS機能やLTE拡張機能付きアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を搭載しており、CDMA2000、1xEV-DO Rev. AおよびB、HSPA+、デュアルキャリアHSPA+、TD-SCDMA、LTEなどの接続標準との互換性も確保される。Qualcommによると、多数の周波数帯への対応を1チップに収めた世界初のチップセットだという。
また、MDMチップセット向けのソフトウェア拡張機能も提供され、ワイヤレス技術とオペレーティングシステムに関係なく、共通のソフトウェアインターフェースで3G/4Gデバイスを接続、検索、管理することができる。
Appleはすでに、「iPhone 4S」でGSMとCDMAをサポートするチップを採用しているが、4G LTEには対応していない。また、次期「iPad 3」においてLTE対応が噂されているが、GSM/CDMA 3Gに対応するCSフォールバック機能付きになるとみられている。
AppleがiOS端末にLTEチップセットを採用しなかった理由として、前世代までは複数のベースバンドチップが必要であり、サイズや電力、コストがかさんで、コンパクトなiPhone/iPadに搭載するのは困難だとされていた。
しかし、この日アナウンスされた第5世代Gobiは全機能がワンチップに収まることから、ワイヤレスモデム「MDM9615」を搭載したLTE対応の「iPhone 5」が、今年夏から秋頃には登場するとみられる。
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