サムスン電子は12月14日、テレビやスマホなどの完成品部門と半導体やパネルなどの部品部門を独立運営する組織再編を行った(日本経済新聞)。
スマホやタブレットの特許をめぐり世界各国で訴訟合戦を繰り広げているAppleに配慮した動きとみられ、今回新たに完成品部門に2つのポストを設けることで、両部門の間では製品情報が遮断されるという。
多くの分野で競合するAppleはサムスンにとって最大級の顧客でもあるため、独立運営体制により「ねじれた関係を解消する」ことが再編の要因として挙げられている。
サムスンのスポークスマンは「完成品と部品の独立運営を公式化し、ファイアウオールを強固にする」と述べ、情報の遮断をより確実にすることでAppleに配慮した格好だ。
しかし、Appleはすでに部品調達で「脱サムスン」を進めており、半導体やパネルのサプライヤーに日本企業の名前が挙がり始めている。
また、サムスンはスマホやタブレットに加えて、音楽やビデオなどのデジタルコンテンツ配信にも興味を示しており、iPhone/iPadのほかにiTunesも競合商品になるのかもしれない。さらに、Appleは自社ブランドのテレビを開発していると噂されており、今後、両者のライバル関係がより一層深まる可能性もある。