米Mozillaは12月20日(現地時間)、「Firefox 9」の正式版を公開した。SpiderMonkey JavaScriptエンジンに「型推論」が導入されたのが目玉だ。また、Android版はタブレット端末への最適化が施されている。
公開された「Firefox 9」は、1年以上前より研究されてきた「型推論(TI: Type Inference)」 が導入されており、JavaScriptが30%以上高速化している。
型推論とは、プログラムのコード解析と実行時の変数型監視を組み合わせて、JavaScriptプログラムの型情報を得る機能で、得られた型情報はより効率的なコードを生成するためJITコンパイル中に利用される。
Mozillaによると、「Firefox 9」では、推論された型情報をJägerMonkey JITコンパイラで活用するよう改良されており、JavaScript処理の重たいWebサイト(動画、ゲーム、3Dグラフィックスなど)で高速化が期待されるという。
また、HTML5、MathML、CSS などのWeb標準対応や、Mac OS X Lion向けにテーマ統合改善や2本指スワイプナビゲーションを追加した。
Mozillaは同日、GoogleとFirefoxのデフォルト検索エンジンの契約を3年間延長するとアナウンスしている。両社の契約は今年11月に期限を迎えており、Mozillaの収入源の大半を占めるGoogleとの契約が更新されるか注目されていた。