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タイのHDD生産シェアは世界第2位だが、現地の大規模洪水によって部品調達網に影響が出てきそうだ。世界最大手のウエスタン・デジタルは12月期の出荷台数が半減すると予測しているほか、シーゲイトや日立、東芝なども現地に生産拠点を構えている。ただ、ウエスタンが被災により生産停止に追い込まれた一方で、シーゲイトはフル生産を継続しており同社の株価が3割近くアップしている。 調査会社IHS iSuppliによると、12月期の世界HDD生産量は前年比で最大30%落ち込む可能性があるという(Reuters)。 Intelは決算発表時に、12月期のPC業界への影響は少ないとの姿勢を示したが、Appleのティム・クックCEOは「パソコン業界全体がHDDの供給不足に直面する可能性がある」と指摘していた。 タイはHDD以外に、デジカメやスマホ向け電子部品、さらには自動車メーカーや総合家電メーカーなども進出しており、年末商戦に向けた新製品発売に大きな影響が出てきそうだ。ソニーはすでに、デジタル一眼カメラの発売延期を発表している。
ソニーは20日、タイの洪水で現地工場の生産活動が停止したため、デジタル一眼カメラ「NEX-7」などの発売を延期すると発表した。 ハイテック工業団地にあるアユタヤ事業所や生産委託先の工場、サプライヤーの生産活動の停止により、デジタル一眼カメラ「NEX-7」、「NEX-5N」、「NEX-C3」、「α65」およびヘッドホン「XBAシリーズ」の発売を延期する。 ソニーのほか、ニコンの工場も再開の見通しが立っておらず、年末商戦に向けたデジカメ主力製品の供給不足につながる可能性もある。
タイで発生した大洪水で、日系部品メーカーが被災した影響により供給網が途切れる可能性が出てきた。 タイの工業団地に進出しているスマートフォン向け電子部品メーカーとして、NECトーキン、TDK、フジクラ、東芝、日本電産などが1週間以上操業を停止したままであり、世界的にスマホの部品供給が滞る可能性がある。 タイにはスマホ以外にもデジカメやHDDなどの生産工場が多く、ソニーやニコンはデジタル一眼カメラの生産拠点を構えており、年末商戦に向けて影響は避けられそうもない状況だ。 また、日産自動車やホンダなどの自動車メーカーも操業を停止しており、企業の収益悪化だけでなく世界的なサプライチェーン危機にもつながりかねない。