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産経新聞は3月9日、Appleが現地時間7日に発表した新しい第3世代「iPad」に関するネガティブ記事を掲載した。 9日付朝刊では、Appleのティム・クックCEOが “The new iPad” をアナウンスするシーンを大きな写真入りで紹介しており、大見出しは「アップル 陰る神通力」、中見出しは「乏しいサプライズ 失望の声」となっている。 記事本文のなかでは、『市場には「驚きに乏しい」と冷ややかな見方も出た』、『デザインは「2」と同じ。仕様も事前予測通りで、驚きに乏しい』という外資系アナリストの意見を引用している。 また、同じ産経グループのフジサンケイビジネスアイも同様の内容の記事を配信した。 こちらの大見出しは「新iPad 際立つ美しさも肩透かし?」、中見出しは「性能進化…革新さは見られず」となっている。 本文には、日本時間8日にApple Japanが行った新製品発表会に参加した記者による記事が掲載されており、『革新的なiPad 3の登場を期待していたファンには肩透かしの感も強く、受け止め方はさまざまだ』、『実機を目にした瞬間の正直な感想は「拍子抜け」。現行の「iPad 2」と外観がほとんど似ていたからだ』などと、言いたい放題だ。 第3世代の「iPad」は、その中身に多くの革新性が詰まっており、「iPhone 4」から「iPhone 4S」への(失礼ながら)“マイナーアップデート”とは異なり(それでも、ご存知の通り「4S」は世界中で大ヒットとなっているが)、歴史上もっとも美しいタブレット端末向けディスプレイをはじめ、前世代比で2倍のグラフィックス性能、iPadにネイティブ対応するバラエティに富んだ高性能アプリのラインアップなど、故スティーブ・ジョブズ氏が思い描いていた「革新的な魔法のデバイス」とそのエコシステムにかなり近づいたように思える。Appleが「iPad 3」ではなく、単に「新しいiPad」を呼んでいるのも、こうした背景からであり、クックCEOが強調していた「ポストPC時代」が本格的に到来しつつあるなかでの新製品投入だったといえる。 Appleの新製品発表イベントをご覧になっただろうか?1時間半にもおよぶ発表会のなかで、新型「iPad」の紹介はそこそこに、そのほとんどが「iPad」向けアプリの紹介に割かれた。また、Appleの「iPad」を紹介するウェブサイトを見てみても、アプリをいかに重要視しているのかが分かるだろう。 「iPad」や「iPhone」はコンピュータであり、産経新聞の記者の言うところの「見た目」も大事な要素だが、タブレットやスマートフォンというカテゴリが成熟しつつあるなかで、そのデバイスを使って一体何ができるのかに焦点や消費者のニーズが移行しつつあることを忘れてはならない。 新型「iPad」は空前の大ヒットになるはずだ。なぜなら、第3世代「iPad」は、これまでで最高のタブレットデバイスであるとともに、“成熟した”革新性にあふれており、また、消費者は失望などしておらず、入手するのに数カ月待ちの状態がやってくるのは確実だろう。
米Appleは3月7日(現地時間)、米サンフランシスコでメディア向けの新製品発表イベントを開催し、第3世代目となる新型「iPad」および「Apple TV」などを発表した。 新型「iPad」は、予想または噂された「iPad 3」、「iPad 2S」、「iPad HD」などと呼ばれずに、単に「新しいiPad」または「新しい第3世代のiPad」と呼ばれることとなった。価格は4万2,800円からで、3月16日に発売となる。 「新しいiPad」最大の目玉は、「iPad 2」比で4倍のピクセル数を実現した“Retinaディスプレイ”であり、『モバイルデバイスで最高のディスプレイ』だとされる。解像度は2,048×1,536(310万ピクセル)で、彩度は44パーセント向上し、『ピクセルが見えないぶん、写真も、記事も、ゲームも、画面全体がこれまでにない美しい』という。 “Retinaディスプレイ”をサポートするプロセッサは「A6」ではなく、リークされていた「A5X」チップが搭載される。グラフィックスのコアが4基にアップデートされたことで、「iPad 2」や「iPhone 4S」に搭載されている「A5」よりもグラフィックスパフォーマンスが2倍向上し、低消費電力設計により消費電力を抑えることでバッテリ寿命は前モデルと同じ10時間を実現した。 また、メインのiSightカメラは、5メガピクセルの裏面照射型センサーを採用し、フルHD(1080p)の動画撮影にも対応する。 そのほかにも、ワイヤレス機能として、4G LTEのサポートが加わり、音声入力も日本語をサポートする。 Appleは同日、iOSアプリのアップデートを行なっており、新たに「iPhoto」が加わったほか、Retinaディスプレイ対応の「iWork」アプリ(Pages/Numbers/Keynote)や「GarageBand」、予告編機能が加わった「iMovie」などを公開した。 また、セットトップボックス「Apple TV」を刷新した。シングルコアのA5チップを搭載し、1080pのフルHD動画再生やiCloudとの連携をサポートする。価格は8,800円のままで、新しいiPad同様、3月16日に発売となる(イベント詳細はTsugawa.TVにて)。
MIC Gadget は「iPad 3」向けと思われるパーツ類を組み立てて、現行「iPad 2」用の Smart Cover が新型モデルでも利用可能である実証ビデオを公開した。 すでにリークしていたフロントガラスおよびバックパネルを組み合わせており、Smart Coverは問題無いものの、「iPad 2」用のサードパーティ製ケースについては、筐体エッジのテーパー処理が異なるため、ぴったりフィットすることは無いようだ(ビデオ内のケースは中国で早くも販売されている「iPad 3」向けのもの)。 また、同サイトの情報源によると、「iPad 3」のストレージ容量と販売価格は現行ラインアップから変更されず、また、4G LTE 対応については、市場が限定的であることとモデムチップセットの価格が高くつくことからみて、さらに次の第4世代モデルに持ち越されるようだとしている。