エルピーダ、円高で567億円の赤字=広島工場から台湾に4割移転へ

2ギガビットDDR3スポット価格

主流のDDR3のスポット価格が低迷して業績を圧迫。超円高やタイ洪水の影響も受ける。

国内唯一のDRAMメーカーであるエルピーダメモリは27日、2011年4~9月期の連結決算を発表。売上高は前年同期比で約半減の1597億円、最終損益は567億円の赤字(前年同期は398億円の黒字)に転落、4〜9月期としては過去最大の赤字となった。パソコン向け需要が減少したほか、単価の大幅下落や超円高が収益を悪化させた。
決算発表会見で坂本幸雄社長は、円高対策について「(円高が)ボディーブローのように効いてくる。いや、アッパーカットだ」とボクシングに例えて、現在の厳しい経営状態を表現。さらに「海外移転しかない」と述べて、広島工場の生産能力のうち40%を台湾子会社に移転する方針を示し「すぐに実行する」と語った。同社長は「直径300ミリのシリコンウェハ換算で月間12万枚のうち5万枚を想定」しているという。

2Gb DDR3のスポット価格は8月下旬に0.9ドルまで下落し、9月中旬には1.2ドル水準まで上昇したが、10月にかけて再度下落して0.9ドルを割り込んでいる。
さらにタイの大洪水によるHDD価格の上昇が、DRAM価格を引き下げる要因になるとの見通しもある。

エルピーダは業績回復の道筋として、Ultrabookやタブレット、スマートフォン向けに4Gb DRAMへのシフトや30nmプロセス生産への移行、原材料購買時のUSドル建て比率の拡大などに加えて、「さらなる減産」が必要であると指摘している。

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