タイ大洪水によりHDD不足が深刻化=PC生産供給が10%不足も

犠牲者が500人を超えたタイの大規模洪水により、日本や台湾、中国系の電子部品工場が次々に浸水被害を受けており、12月以降のパソコン供給に大きな影響が出てきそうだ。
PC向けでは、HDDやDRAMをはじめとする主要部品の調達が滞りはじめている。タイは世界第2位のHDD生産拠点だが、DIGITIMESによると、PCベンダーは通常4週間分のHDD在庫を保持しており、ODMメーカーは約1週間分しか余裕を持たないという。また、出荷中の製品は1週間分であるとみられることから、トータルで4〜6週間分の調達が可能なため、11月のパソコン出荷には影響が無いとしている。
しかし、今年12月から2012年第1四半期にかけて、PC需要に対して最大10%の供給不足に陥ると予想されており、HPやDell、Acerなどが打撃を受けるとみられている。
タイのHDD出荷量は2012年第1四半期に40〜50%減と見積もられており、現地正常化は2012年2〜3月頃まで難しいという。

すでに国内市場ではHDD製品の値上がりや品薄が確認されており、NECや富士通などの国内メーカーもHDD調達に苦慮している。直接被害が無い工場でも、サプライチェーンが影響を受けて減産に追い込まれているケースもある。

パソコン以外でもHDDを内蔵するレコーダーなど最終製品の値上げが始まっており、タイに生産工場を構えるニコンやソニーはデジタル一眼カメラ生産で大打撃を受け、キヤノンはインクジェットプリンタPIXUSの生産に影響が出ている。スマートフォン向けの部品メーカーも多いことから、一部メーカーの部品供給が滞る可能性も指摘されている。また、電子機器以外にも、日産やホンダなどの自動車メーカーが大きな打撃を受けている。

大規模洪水は首都バンコク市内60%の地域に広がっており、これまでに計8つの工業団地で浸水被害が出ている。

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